肉の基礎知識

【シャトーブリアンはなぜ美味しい?】 超希少部位の特徴と美味しさの秘密を解説

シャトーブリアン

シャトーブリアン

その名を聞いたことがあるという方は多いと思います。シャトーブリアンは一般の市場では入手困難で1頭からわずかしか取れないことから“幻の部位”、“究極の赤身”と呼ばれる極上の最高級部位です。

ただ「名前は聞いたことはあるけど、詳しくは分からない」、「お肉は好きだけど、他の部位と何が違うの?」という方の為に、今回はシャトーブリアンにスポットを当てて、シャトーブリアンとは何なのか?徹底的に解説していきたいと思います。

これを読めば、名前の由来や希少部位と呼ばれるワケ、他の部位との違いやおすすめの食べ方まで、知って得する情報がすべて分かるはずです。

シャトーブリアンの名前の由来は?

まずはシャトーブリアンという特徴的な名前の由来から解説していきたいと思います。通常、肉の部位はその肉の特徴に由来します。(例えばザブトンと呼ばれる部位は、部位の形状が座布団に似ているから)

しかしシャトーブリアンに関しては名前の由来もその他の部位とは大きく異なります

牛ヒレ肉の中央部の最も太くやわらかい部分を使った、高級ステーキのシャトーブリアンの名前は19世紀のフランスの小説家であり政治家でもあるフランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン( 1768年9月4日~1848年7月4日、享年79歳)の名前から来ています

シャトーブリアンはコンブール伯爵ルネ=オギュストの子として、フランスブルターニュの港町サン=マロに生まれたいわゆる地方貴族の子息です。

とんす
とんす
シャトーブリアンはフランス・ロマン主義の二大先駆者の一人として有名な文学者である一方、イギリス大使や外務大臣などを歴任した政治学者でもあった人物らしいぞ(あんまり興味ないけどな)

実はシャトーブリアンの弟子にはヴィクトル=マリー・ユーゴー(1802年2月26日~1885年5月22日、享年83歳)という人物がいます。

ユーゴーはあの圧倒的名作「レ・ミゼラブル」や「ノートルダム・ド・パリ」の著者として有名な作家です。二人の師弟関係はフランス文学では有名ですが、日本ではユーゴーの師匠がシャトーブリアンであることも、その名が高級ステーキの名前の由来になっていることもほとんど知られていません。

美食家としても知られていたシャトーブリアンは料理人を雇っていました。シャトーブリアンという部位の名前が出来たのは、シャトーブリアンの料理人、モンミレイユがシャトーブリアンの親愛を得るために、普通の2倍もの厚さに切ったヒレ肉の真ん中をステーキとして出したことが始まりと言われています。

ちなみにこのステーキがとても気に入ったシャトーブリアンは1日に2度も食していたそうです。こんな高級ステーキを毎日食べていたなんて、本当に羨ましい限りです。

びーふぁー
びーふぁー
これが幻の部位”シャトーブリアン”の由来と言われているんだな。とにかく昔の貴族は贅沢だったんだな。

 

シャトーブリアンはなぜ高い?希少部位と言われる理由は?

ではそんなシャトーブリアンがなぜ高いのか?もう少し詳しく解説していきたいと思います。超希少部位といわれているシャトーブリアンですが、具体的に牛の身体のどの部分にあるか想像できるでしょうか?

シャトーブリアンは下の画像のヒレやテンダーロインと呼ばれる部位の中にあります。そしてそのヒレ肉やテンダーロインがあるのは両足の股関節の内側であり、つまるところヒレ肉やテンダーロインといった部位自体がそもそも一頭の牛から2本しか取れず希少価値が高いのです。(ヒレ肉自体でも1頭の牛から3%~5%程しか取れないと言われています)

シャトーブリアンはそんなヒレ肉の中でも特に肉質の良い真ん中の部分だけを指しているためヒレ肉よりも更に希少部位で、1頭の牛からわずか600g~800g程しかとれないのです。

そのため一般の市場では入手困難でさらに需要があるため、高価な希少部位となっているのです。シャトーブリアンの相場は1枚150gで1万円~1万6千円ほどで、ブランド牛(例えば松阪牛や米沢牛など)の中には、なんと6万円を超える超高級品もあるそうです。

 

サーロイン・ヒレ・シャトーブリアンの違いは?その特徴は?

ではここで「あまりお肉の部位に詳しくない」、「シャトーブリアンって他の部位と何が違うの?」という方の為に「サーロイン」「ヒレ」「シャトーブリアン」の3つの部位を比較して、解説してみます。

サーロインの特徴や名前の由来

サーロインの名前の由来は、英国のヘンリー8世があまりの美味しさに、褒美に卿(サー)の称号を与えたことから始まったとされています。“ロイン”は「腰の肉」という意味で「サー・ロイン」と呼ばれ、“肉の王様”と称されるほど位の高い部位として知られています。

サーロインの特徴は霜降りが多く、柔らかく甘みがあることです。ステーキといえばサーロインを連想する方も多いと思いますが、その他の食べ方としてはローストビーフ、すき焼き、しゃぶしゃぶなどが適しています。

 

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ヒレ肉の特徴や名前の由来

ヒレの名前の由来はフランス語のフィレ(「網」とか「骨がない」という意味の言葉)が変化し「ヒレ」となっていったそうです。ちなみに関西では「ヘレ」と呼ばれています。

ヒレの部分である大腰筋は牛の身体の中で最も動かすことの少ない筋肉です。筋肉というのはよく動かせば動かすほど硬く、強くなり増強していく性質を持っています。

そのためにヒレのように動かさない筋肉はどんどん柔らかくなっていきます。よって牛肉随一の柔らかさをもつヒレの部位は、“肉の女王”と称されることもある部位です。

ヒレ肉はサーロインと比べてみると脂肪が少ないため食べやすいのが特徴です。肉質は極めてきめ細かく、舌触りもまろやかで赤身の甘みはクセがないお肉です。

ただ焼き過ぎると固くなることがあるので、ステーキではレアやミディアムがオススメです。食べ方としてはステーキ以外にも焼肉やローストとしても人気があります。

 

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びーふぁー
びーふぁー
画像を見比べてみるとわかりやすいけど、ヒレ肉はサーロインに比べて脂肪(白くなっているところ)が少ないことが分かるな。とっても食べやすくて美味しい部位だぞ

 

シャトーブリアンとヒレ肉・サーロインとの違い

シャトーブリアンはサーロインやヒレ肉に比べても筋が全くなく、箸で簡単に切れてしまうほど非常に柔らかく、脂肪がそれほど含まれていないのが特徴です。

通常柔らかな肉は、霜降り肉のように赤身と脂肪が混在することで生み出されるものですが、このシャトーブリアンは一般的に脂肪が少な目のロース肉の部位よりも脂肪がないのが特徴の赤身肉で、サーロインやヒレよりもさらに柔らかく肉汁も十分に含んでいます

「脂肪が多い=柔らかい」という常識を覆している存在であることから“幻の部位”“究極の赤身”とよばれている理由なのです。

シャトーブリアンはダイエットにも良い!?

実はシャトーブリアンはタンパク質が吸収されやすく脂肪になりにくい食材でダイエットにも適していると言われています。あの叶姉妹はそんなシャトーブリアンが大好物だそうです。

叶姉妹は1日5食(なんと1日5000kcal)、お肉の量は120gまでと決め取り組んでいる「叶流お肉ダイエット」を推奨しています。このダイエットではどのような赤身肉でも良いそうですが、二人は毎日シャトーブリアンを食べているそうです。

叶姉妹のあのプロポーションを維持している秘密には、このシャトーブリアンも深く関係しているのかもしれません。

シャトーブリアンとヒレ肉・サーロインとの違いまとめ

少し話は逸れましたがまとめますと、牛の甘さや脂身が好きな方は「サーロイン」、柔らかくさっぱりと食べたいなら「ヒレ肉」、少し贅沢をして、脂肪が少なく究極の柔らかさと希少性を保つお肉が食べたいなら「シャトーブリアン」 がオススメです。

年配の方や女性の方には「牛の脂身が重く、だんだん苦手になってきたけど柔らかく上質なお肉が食べたい!」という方は是非お祝い事や特別なデートの際に、一度シャトーブリアンを食べてみてはいかがでしょうか

 

シャトーブリアンのおすすめの食べ方

これだけの希少性と美味しさをもつシャトーブリアンは、一般的に”ステーキで食べる事が最も適している”といわれています。

その理由は、肉質やその素材の良さを最大限に味わうことができる調理方法だからです。しかし、ステーキ以外の調理方法が適していないというわけではなく、ローストビーフやしゃぶしゃぶ、すき焼き、カツサンドなどにしてもとても美味しく食べることができます。

ただ、ヒレと同様、シャトーブリアンも赤身がほとんどですので、火を通し過ぎると硬くなってしまう性質があり、加熱の際には注意が必要となります。なので、私はお店で食べる派です。

シャトーブリアンのおすすめの【カット・サイズ】

 もしお肉屋さんやレストランなどで自分の好みのサイズに切ってもらえる場合は、是非分厚めにカットしてもらうことをおすすめします。ステーキは柔らかい部位であれば、分厚くカットされたものの方が、焼いた瞬間に肉の旨みを閉じ込めることができます

シャトーブリアンのおすすめの【焼き加減】

 シャトーブリアンのような赤身の多い分厚めのお肉は、強火でさっと焼くのではなく、じっくり弱火で火を通し焼きあげる、「レア」が一番オススメです。

家で焼く際は、ホットプレートを使うと焼きやすいです。また、手間を惜しんででも失敗したくないという人は、焼く前に湯煎をする方法もおすすめです。

シャトーブリアンのおすすめの【味付け】 

食べ方として一番のおすすめは、「」です。脂っぽさがなく風味が豊かな部位なので、お塩で肉本来の旨みや味を十分楽しむことができます。また、素材そのものの旨みを楽しんだ後は「カボス」を絞って爽やかな味を楽しむのもおすすめです。

シャトーブリアンに合うおすすめの【お酒】

 赤ワインならブルゴーニュタイプ、白ワインならソーヴィニヨンブランタイプが非常によく合います。また、日本酒ならば大吟醸がおすすめです。

 

シャトーブリアンまとめ

牛肉の中で最も希少でおいしいといわれているシャトーブリアン。お値段は高いですが、需要が高く人気なのも納得です。お肉が好きな方もそうでない方も一度は食べてみたくなったのではないでしょうか。

やはり最初に食べるのであればお店に行ってステーキを食べるのがおすすめです。1頭の牛から数百グラムしか取れない希少部位を是非味わってみてください。

びーふぁー
びーふぁー
当サイトには牛肉の希少部位に関して解説した記事「牛肉の希少部位レア度ランキング!場所はどこ?特徴や値段なども紹介」という記事もあるから興味があったら読んでみてくれ♪

 

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まふろー
当サイト管理人のまふろーです。20代後半のサラリーマンで、昨年からふるさと納税を始めました。魚介類や家電などには興味がなく、ただひたすら旨い肉を求めてふるさと納税をしてきました。このサイトでは私が10誌以上に上る雑誌や書籍、そしてネットなどから仕入れた情報をもとに、「本当にお得な肉」のふるさと納税返礼品についてお伝えしていきます。ご期待ください。