豚肉といえばトンカツをはじめ様々な料理で日常的に使われていますが、その部位に関して詳しく知っている方はあまりいません。
例えば「豚肉は脂身が多くて、カロリーが高いのでは…」と思い、ついつい赤身肉や鶏肉を選んでいたりしないでしょうか。
実は一口に豚肉といっても、その部位ごとに肉の特徴は異なります。この記事では豚肉の部位ごとの値段や肉の特徴、カロリーなど様々な観点からお伝えしていきたいと思います。
意外と知らない豚肉の部位別の特徴まとめ

一口に豚肉と言っても、ロース、ヒレ、バラなど、いろいろな部位があります。それぞれどんな特徴があるのか、どんな料理に向いているのか調べてみました。
・肩ロース
・肩肉
・ロース肉
・ヒレ肉
・バラ肉
・もも肉
肩ロース肉の特徴|旨味のある上級肉

ロース肉の中で肩にあたる部分が肩ロースです。ロース特有の肉のきめの細かさに加え、周辺の筋肉がロースを取り巻いていて、独特の形状をしています。光沢の良い、きれいな赤い色のものが上質です。
赤身の中に脂質が網目状に広がっていて、普通のロースより脂身が多いのでコクがある濃厚な味わいが楽しめます。
肩とロースの中間的な肉質と風味、柔らかさをあわせ持った、とても旨みのある上級肉です。焼き縮みを防ぐコツは、下ごしらえの際きちんとスジ切りをすることです。
肩ロース肉のお値段
焼き肉やしゃぶしゃぶ用の国産豚肉肩ロースは100g当たり250円台で良いお肉が手に入ります。
肩ロース肉に合う料理

肩ロースは最も豚肉らしい、代表的な部位と言われています。焼く、煮る、揚げる、炒めるなど、どんな調理法にも合います。
とんかつ、生姜焼き、カレー、シチュー、炒め物など、和洋中を問わず幅広く使いやすい部位です。首に近い部分はきめが粗く、多少肉質が硬いので煮込みやひき肉として利用すると良いですね。調理する前にはスジ切りを忘れずに行いましょう。
肩肉の特徴

肩肉とは前足の付け根部分にあたる部位を言います。よく動かす部分なので、筋肉質でやや硬く、脂も少なめに混じっていて旨味はしっかりしています。
キメが荒いため肉色が濃く、赤身の多い部位になります。
肩肉のお値段
100g当たり160円台後半から、質の良いお肉を手に入れることができます。
肩肉の合う料理
薄切りの場合は炒め物がおススメです。基本的には長時間煮込むと良い味が出やすい部位なので、こま切れなら肉じゃがや豚汁などに向いています。
角切り肉の場合は、じっくり煮込むとコラーゲンがゼラチン化し、柔らかくなるのでシチューやポトフなど煮込み料理におすすめです。ひき肉としても最適な部位です。
肩ロース肉とは何が違う?
肩肉とは、腕の上部よりやや上の部分のお肉を指します。前述の通り、よく動かす部分なので硬いです。
対して肩ロースは肩から背中にかけての部分なので、肩肉よりも少し後ろの背中側の部位になります。ロースと質は同じものです。
ロース肉の特徴

肩の後ろから腰付近までの、背骨の両側の部分のことを言い、キメが細かく適度に脂肪が乗っていて肉質も柔らかく、一番美味しいと言われる部分です。
カロリーが気になって外側に付いている脂身の部分を取ってしまう方も多いと思いますが、実はそこに旨みが凝縮されています。
ロース肉の値段
味に定評があり、人気も高いだけに100g当たり258円と少し高めです。
ロース肉が合う料理
旨みが強く、クセのない部位のためオールマイティに使うことができます。トンカツはもちろん、ハム、ポークソテー、焼き豚、しゃぶしゃぶまで守備範囲の広い部位です。
脂が多い部分ではないため、唯一不向きなのは煮込み料理となっています。
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ヒレ肉の特徴

ヒレは、きめが細かく、最も柔らかい部位として知られています。ロースの内側に位置し、ロースと並んで豚肉の中で一番良質と言われる部位です。
美肌効果があるビタミンB1が最も多く含まれています。また、脂肪分が少ないのに柔らかいのも特徴的です。脂身が少ないのでヘルシーです。
ヒレ肉の値段
ヒレは豚一頭から2本、重さにすると1kg程度しか取れません。これは一頭の肉量の2%ほどで、豚肉の中では最も希少な部位です。そのためお値段も高めで、100g330円からとなっています。
ヒレ肉が合う料理
ヒレ肉は柔らかくて美味しい一方、コクに欠けるのでヒレカツやポークソテーなど、油を使った料理に向いています。
焼き物、揚げ物にする場合は、表面を高温で加熱し、肉自体のうまみを封じ込める調理法が適しています。パサつきやすい部位なので、長時間の煮込みは避けた方がよいでしょう。
なぜヒレ肉は高い?
ヒレ肉は豚一頭から2本しか取れない希少部位です。1本は約500gで、全体から見ると肉量の2%、1㎏程しか取れません。しかし、肉質は柔らかく、脂肪分が少なくてビタミンB1が豊富なので人気があります。
一頭から取れる量が限られているうえに需要が多いので、お値段も高くなっています。これは牛肉にも言えることで、ヒレ肉は牛肉でも高級な部位です。

バラ肉の特徴


バラ肉とは、胴体のあばら骨についている部位を指します。濃厚な脂身が特徴の部位です。この部位の骨周辺の肉は特によい味で、骨付きのものをスペアリブと呼びます。ベーコンもこの部分から作られます。
別名三枚肉とも呼ばれ、脂肪と赤身がバランスよく層になっているのが良いものです。
バラ肉の値段
味は濃厚で豚肉の旨味が一番詰まったところとも言われる部位ですが、100g198円とリーズナブルな価格です。
バラ肉が合う料理
柔らかい肉質でコクと風味に富んでいるので、脂肪が気にならなければほとんどの豚肉料理に適応できる万能部位です。その脂肪も、蒸したり、揚げたり、煮込むことによって大部分を取り除くことができます。
焼肉、角煮などに幅広い料理に適しています。酢豚、チャーハン、チャーシューなど、中華風の料理にもよく合います。
ばら肉を巻いて焼き豚や煮込みなどに、ブロックや角切りなどでこってりした風味の料理に、また薄切りは野菜炒めや豚汁にと、とても広い範囲に使える部位です。
モモ肉の特徴


脂肪が少なく、さっぱりとした赤身の部位で、高タンパク低脂肪のあっさりとした味わいが特徴です。ヒレに次いでビタミンB1を多く含んでいます。
内ももと外ももに分かれており、内ももはキメが細かく、色が淡くて柔らかめで、ヒレと同じような使い方も可能です。調味料や香辛料がなじみやすい肉質なので、ハムなどの加工肉の材料にも使われています。
外ももは肩と同じように運動量の多い部分なので、キメはやや粗く、肉色も濃いめです。ほとんどの豚肉料理に向きますが、肉色が濃いめの部分は薄切りにしたり、煮込みに利用するのがよいでしょう。脂肪分が少ないので、味はあっさりしています。
もも肉の値段
もも肉も守備範囲が広く、様々な料理に合う部位ですが、お値段はリーズナブルで100g178円で手に入れることができます。
もも肉が合う料理
肉自体に脂肪分がないので、おいしいスープを取るのには若干不向きですが、肉自体を楽しむものには向いています。
内ももはローストポークやチャーシュー、ボンレスハムに使われます。
外ももならブロックで焼きもの、シチューや角煮などの煮物に利用したり、こま切れにして豚汁に使用してもおいしいです。
部位別脂肪が少ないランキング


部位別に特徴を見てみると、豚肉には意外と赤身で脂肪も少ない部位があり、選んで食べればダイエットに向いている食材だということがわかってきます。
では一番脂肪が少ない部位はどこなのでしょう?下の図にまとめてみました。
部位 | カロリー | 脂質 |
---|---|---|
豚肩 | 216Kcal | 14.6g |
豚肩ロース | 253Kcal | 19.2g |
豚ロース | 263Kcal | 19.2g |
豚ヒレ | 115Kcal | 1.9g |
豚バラ | 386Kcal | 34.6g |
豚もも | 183Kcal | 10.2g |
豚そともも | 235Kcal | 16.5g |
これまで見てきた部位の中では、ヒレがダントツで一番脂肪が少ないです。カロリーも低く、高たんぱくで鶏肉でいうとササミ肉に相当するほどです。
ヒレ以外は比較的脂質が多めですが、二番目に脂肪分が少なくてヘルシーなのはシチューやカレー用に使われるもも肉です。
次いで脂肪分が少ないのは肩肉です。ももや肩はよく動かす部分なので、筋肉質で脂肪が少ない部位と言えます。どちらも脂が少なくても旨味があり、煮込むことで良い味が出ます。
脂肪分が少ない部位第4位はロース・肩ロースです。トンカツを食べるとき、ヒレカツとロースカツで悩んだ経験のある方も多いと思いますが、カロリーを抑えたい方にはヒレカツがおすすめです。
第5位、最も脂質が多いのはバラ肉です。スペアリブ、ベーコン、角煮など、脂身のおいしさを堪能できる部分ですが、その分脂質とカロリーの高さも比例しています。
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部位別で肉が柔らかいのはどれ?


豚肉は肉として出荷される年齢が牛肉に比べて早く、また、運動することが少ないため、硬い部分ができにくく、柔らかい部分が多いです。
中でも一番柔らかいのはやはりヒレです。
続いてロース、肩ロースの順になっています。肩ロースは熱を加えても柔らかいのですが、ロースは少し硬くなってしまいます。
柔らかく仕上げたい場合には、肉たたきや空き瓶などで全体を軽くたたいて筋肉を柔らかくし、形を整えてから調理するとよいでしょう。
肩肉は動きが激しい部位で、筋肉が発達しているのでやや硬めです。肩と同じようによく動かす部位のもも肉に関しては、内ももの方が外ももよりも柔らかいです。
部位別の特徴を知って、豚肉をもっと楽しみましょう


豚肉は牛肉よりもお手頃な価格なので食卓に上る機会も多いですよね。それぞれの部位の特徴を活かした調理法を知ることで、より効率的に栄養を摂ることもできます。
これから豚肉を選ぶ際には、部位を意識してみてくださいね。
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