鶏肉は高級品ではないですが、意外と奥が深く、「本当に美味しい鶏肉」を食べたいのであればそれなりに知識を身につけておく必要があります。
特にふるさと納税でお得な返礼品、特に鶏肉の返礼品が欲しいな〜と思っているけど、「鶏肉」と言ってもたくさんありすぎてどれがいいのか分からない 状態になっているという方も多いのではないでしょうか。
それもそのはず無理もありません。なぜなら鶏肉の返礼品というのは一番大きなふるさと納税申し込みサイトのふるさとチョイスの場合、なんと1,500点以上もの返礼品があります。
これは牛肉の返礼品と比べると10分の1程度ですが、ふるさと納税の返礼品の中でもトップクラスに種類の多い返礼品の1つとなっています。
ということでこの記事では、そんな多種多様な鶏肉の返礼品の中から、美味しい満足な鶏肉の返礼品を選ぶための選び方と、実際の返礼品を見ながらどういうポイントで返礼品を見極めればいいかを解説しながらお伝えしたいと思います。
鶏肉を選ぶポイントは大きく3点
鶏肉の返礼品を選ぶ際にまず考えなければならないのは以下の3点です。この3点が頭の中に入っていないと「何を基準に選べばいいかわからない 」ので、誰かの言葉に半信半疑になりながら従うしかなくなります。
逆にこの3点を抑えていれば、他人の助言は助言として活用し「本当に自分が求めている理想の鶏肉」をゲットできる可能性が高くなります。
①鶏肉の部位
②鶏肉の種類
③鶏肉の産地
この3つの基本ポイントは必ず抑えておかないと、きちんと自分の判断で鶏肉を選ぶことはできません。もちろん誰かのオススメをそのまま鵜呑みにしても、ある程度の質は担保されていますが、実際のところ手元に届くまでその商品が良いのか悪いのかわかりません。
どうせ選ぶのであれば「これは美味そうだな」という鶏肉を選んでいただきたいと思います。
第1のポイント|鶏肉の部位に関して最低限知っておきたいこと
鶏肉といえば定番のモモなどに加えて、焼き鳥屋などに行くと様々な種類の部位が売られていますが、ふるさと納税の場合はそんなに種類があるわけではないので実際のところ数種類の部位だけ一通りわかっていればOKだと思います。
・もも肉
・ムネ肉
・ささみ肉
・手羽
鶏もも肉
鶏肉で最も脂が多く濃厚なのが、このとりもも肉です。旨味とコクがしっかりしていて、唐揚げなどの定番料理から親子丼など様々な料理に使われます。最も汎用性の高い鶏肉 がもも肉です。
鶏ムネ肉
脂肪が少なく高タンパクなお肉です。そして脂肪が少ないにも関わらずお肉自体は柔らかく臭みは少ないので非常に食べやすい お肉です。定番の唐揚げの他、蒸したり、ソテーにしたりしてもよく合うお肉です。
ささみ肉
ささみ肉は鶏肉の中で最も脂肪の少ない肉 です。淡白な味わいで柔らかいのが特徴です。蒸し料理など様々な料理に使うことができます。
手羽
手羽は鶏の羽の部分です。羽の先端部分が手羽先で、根元の部分が手羽元です。どちらもジューシーな味わいで脂肪やゼラチンがしっかりと付いた部位 になります。
第2のポイント|鶏肉の種類
さてここまで鶏肉の部位に関してお伝えしました。鶏肉の部位はおそらくほとんどの方が理解されていることと思いますが、次に紹介する「鶏肉の種類」は意外と知らない事もあると思いますし、美味しい鶏肉を選びたいのであれば知っておきたい項目ですのでぜひ参考にしてみてください。
・ブロイラー
・銘柄鶏
・地鶏
ブロイラー

ブロイラーとは通常の鶏肉よりも短期間で出荷できるように改良された鶏肉の総称です。市場に出回る鶏肉の約9割はブロイラーとされていて、私たちが口に運ぶ鶏肉のほとんどがこれであると言っても過言ではありません。
1つ注意点としては、「国産若鶏」も「外国産鶏」もすべて変わりなく「ブロイラー」である という事です。たまに、ブロイラーと「国産鶏」は違うと思っている方もいますが、国産鶏であろうが、外国産の鶏であろうが、次に紹介する「地鶏」か「銘柄鶏」以外の鶏は全てブロイラーなのです。※銘柄鳥も厳密に言えばブロイラーですが、ここでは銘柄鳥は銘柄鳥としてお伝えします。
もちろんブロイラーだからといって一概に劣る鶏肉というわけではないものの、鶏肉の品質というのは簡単に言うと、エサと期間とそもそもの鶏の種類によって大きく左右されるため、期間を短くして大量生産を目指すブロイラーというのは、得てして値段も品質も低くなりやすいのです。
例えるならば、ブロイラーというのは「国産車」でその他の鶏というのは「高級輸入車」といったイメージでしょうか。もちろん日常生活では国産車で満足できるけど、嗜好性や満足度が高いのは「高級輸入車」といったイメージを持っておくと良いかと思います。
そしてブロイラーは基本的にはどこの産地の肉であっても理論的には同じになるはずなのですが、やはりその土地土地の環境や気温、飼育方法などによって若干ながらも鶏肉の特性が出てきてきます。
ブロイラーのエサや飼育期間などに工夫を加えて特徴付けした鶏肉の種類を銘柄鳥と言います。先ほど銘柄鳥もブロイラーとお伝えしましたが、銘柄鳥というのはブロイラーをいい感じに飼育した鳥と考えるとOKです。
地鶏

地鶏というのは日本農林規格(JAS)が定める4つの明確な基準を全て満たす鶏の事を総称して地鶏と言います。この基準を見ると、地鶏というのがいかに高い水準で品質管理されているかを垣間見る事ができます。
(1)在来種由来の血統が50%以上で出生証明ができる素びなを使っていること。
(2)ふ化日から80日間以上飼育していること。
(3)ふ化後は28日目以降は平飼いで育てること。平飼いとは、鶏舎の中また外で鶏が床や地面を自由に動けるようにして飼育すること。
(4)ふ化後28日以降は1平方メートル当たり10羽以下の環境で飼育していること。
先ほどブロイラーの説明で、ブロイラーは短期間で大量生産を目指した結果として生まれた品種という事をお伝えしましたが、地鶏はまさにブロイラーとは正反対の鶏 という事ができます。
鶏肉の価格を抑えるためには、短期間で食肉まで育ち、なおかつ安く育てる必要があります。(そのためブロイラーはどこの養鶏場でも基本的には同じようなエサを使い、同じような飼育方法で養鶏します)
反対に地鶏の条件を見てみると、どう考えても「時間がかかる」「お金もかかる」「大量生産に向いていない」という事が分かります。だからこそ高い のです。
でも美味しいから高くても作るのです。鶏肉の中で「地鶏」というのは特別に高い値段で取引されますが、背景にはこのような違いがあるのです。だからこそ、ふるさと納税で「いつもとは少し違う贅沢な鶏肉を食べたい」と思うのであれば地鶏を選択するのが良いでしょう。
・名古屋コーチン
・比内地鶏
・さつま地鶏
・阿波尾鶏
銘柄鶏
銘柄鶏は品種自体は「ブロイラー」に分類される鶏ですが、飼育方法やエサに工夫を加える事によって品質の向上が図られた鶏肉の事を銘柄鶏と呼んでいます。しかしそこに明確な基準がないというのが実情です。
なので銘柄鶏って何なの?って聞かれるとすると、「ブロイラーのちょっと頑張ったやつ 」と答えるのが正解と言えるのです。そのため、品質も各銘柄によって異なります。有名な銘柄鶏を挙げると以下のような銘柄鶏があります。
・森林どり
・大山どり
・房総ハーブ鶏
銘柄鶏にはこのような銘柄の鶏肉があります。実際にスーパーなどの店頭に並んでいると地鶏も銘柄鶏も同じ「ブランド鶏」っぽくっ見えてしまいますが、実は両者の間には明確な基準の違いがある という事を認識しておいた方が良いでしょう。
第3のポイント|鶏肉の産地
美味い鶏肉をゲットするために知っておきたい第3のポイントは鶏肉の産地です。ただし先に断っておきますと、この産地は「銘柄鶏」に限った話 となります。
というのも先ほど説明した通り鶏肉には3つの種類がありますが、通常のブロイラー種は「国内産若鶏」と表記され、地鶏は「ブランド名」で表記されるため、実質「◯◯県産」と表記されるのは銘柄鶏しかないため です。
じゃあそんな銘柄鶏を見る場合には「産地」というのは非常に大きな意味を持ちます。というのも、銘柄鶏を判断する基準は口コミか産地くらいしか評価できる基準がないからです。
それもそのはず、銘柄鶏には銘柄鶏を名乗れる基準というのがないためです。
そういった場合には各都道府県の飼育数を確認し有名な産地というのを優先的に選んでいく のが賢明です。なぜなら、どの都道府県であっても、その地方の特産品というのは他の地方に比べて値段も評判も圧倒的に高い場合が多いからです。
例えば「みかん」で言うと「愛媛、和歌山(有田みかん)」が有名な産地ですが、実際にそれらの産地のみかんはハズレが少なく美味しいと思います。鶏肉もそれと同様に、銘柄鶏に関しては「産地」というのを1つの基準にすると良いです。
鶏肉の産地別シェア
産地 | シェア |
---|---|
宮崎県 | 20.4% |
鹿児島県 | 20.0% |
岩手県 | 16.2% |
青森県 | 5.3% |
北海道 | 3.5% |
徳島県 | 3.2% |
佐賀県 | 2.8% |
熊本県 | 2.4% |
鳥取県 | 1.9% |
兵庫県 | 1.9 |
※数値は2016年農林水産省畜産統計の数値です。
産地別の生産数を出してみると、宮崎・鹿児島・岩手で非常に多くの割合を占めている事が分かります。宮崎県は地鶏が有名ですが、そもそも養鶏が盛んだという事がわかります。
もちろん産地だけで鶏肉を選ぶというのはあまりないかもしれませんが、「還元率がだいたい同じ」で「欲しい部位も同じ」という場合には、今回お伝えしたように産地を最後の決め手にするのは賢明な判断かと思います。
実際の例を見ながら解説
ここまで美味しい鶏肉の選び方をお伝えしてきましたが、次は実際にふるさと納税の返礼品の情報を見ながら、「この肉って本当にお得なんだっけ? 」というのをどうやって見ていくか解説したいと思います。
今回は例としてふるさと納税の申し込みサイトとして最も有名な「さとふる」の画面を見ながら解説したいと思います。
直近の月間ランキングを確認すると以下の3つの鶏肉がTOP3になっていました。今回はこのTOP3の肉の中から、私ならこれを選ぶなあという商品を考え方とともにお伝えします。
STEP0 まずそれぞれの鶏肉の内容をざくっと把握
例えばこういったランキングを見る場合には、まずそれぞれの肉の内容をざくっと把握しましょう。掲載されている肉が、「若鶏」なのか「銘柄鳥」なのか「地鶏」なのか。先ほどもお伝えした通り市場価格では 地鶏>銘柄鶏>若鶏 となっています。
今回のランキングで言うと、1位の鶏肉は銘柄鶏で2位の鶏肉は若鶏で3位の鶏肉が銘柄鶏となっています。この3つの中で言うと1位の鶏肉が最も良さそう です。3位の鶏肉は「業務用」とあるので、2位とどっちがいいのかこの後詳しく見た方が良さそうです。
また産地に関しては上位2つが佐賀県産で3位の鶏肉が大分県です。佐賀県は鶏肉の生産量で全国TOP10に入っている産地なので悪くはないでしょう。大分県はTOP10には入っていません。(だからと言って悪いわけではないですが、判断に迷った場合は産地も参考にする指標の1つです)
STEP1 まずは還元率を何となくチェック
ふるさと納税の返礼品を選ぶ際には還元率(寄付金に対して何円相当の返礼品がもらえるか)というのが、まず大前提にある指標です。この還元率が100%に近ければ近いほど、お得感に関しては高まります。
第1位の佐賀県産華味鳥について
まず第1位の佐賀県産 華味鳥のもも肉ですが、例として楽天で販売されていた博多県産の華味鶏を見てみると2Kgで約3,000円となっていました。
ですので単純計算すると今回1位の華味鳥の場合は2Kg×2なのでだいたい6,000円前後となり、還元率は60%前後と考える事ができます。
総務省の指導でふるさと納税品の還元率は3割以下にしなさいとなっているため、6割前後の還元率であれば非常にお得 だという事がわかります。
第2位の若鶏もも肉パックについて
第2位の若鶏もも肉パックに関しては若鶏なのでおそらく値段はやすいだろうという事が予測されます。例えば楽天で若鶏もも肉を検索すると以下のような金額感です。
これをご覧いただくとわかる通り、単純な若鶏のもも肉というのはだいたい相場は1Kg1,000円くらいです。
そのため今回第2位の佐賀県産若鶏もも肉はだいたい4Kgで4,000円+αくらいの値段だと想定でき、還元率は40〜50%という事が分かります。
第3位の業務用ハーブ鳥について
このハーブ鳥に関しても値段の相場を見ていきます。今回の鶏肉は業務用(小分けされていない)ので、多少他のものより安くなっています。
今回のハーブ鳥に関しては銘柄鳥の一種のハーブ鳥です。だいたい相場感で言うと2,500円〜くらいかなという事が分かります。
この返礼品に関しては5,000円の寄付金に対して返礼品が2,500円前後なので、還元率は約50%くらいという事が分かります。
STEP2 細かな条件面を確認
ここまでのチェックで何となくこの3つであれば華味鳥もも肉パックがお得そうだという事がわかりました。しかしここでそのまま華味島を選んでしまうのは少々危険です。
何となく目星が付いたら各返礼品の詳細条件を確認 しましょう。
第1位の佐賀県産華味鳥について
おそらくこの華味鳥の品質は高いと考えられます。理由は下記の説明文にある「産地凍結」です。
華味鳥もも肉を1kgパックにし、直営工場にて産地凍結しています。 味や品質に加え、使い易さも加わりました。 産地凍結ならではの賞味期限の長さも魅力です。 どうぞこの機会にトリゼン銘柄鳥「華味鳥」をご賞味下さいませ。
産地凍結というのは新鮮な状態の産地ですぐに肉を凍結(凍らせている)ため非常に肉が新鮮で長持ちする事が特徴です。基本鶏肉などは凍らせた状態で発送されますが、今回の華味鳥のように産地凍結した鶏肉もあれば、チルドやフローズンといった状態のものもあります。
チルドは凍らせてはいないものですし、フローズンはどのタイミングで凍結されたのか分かりません。そのため「産地凍結」となっているこの肉は極めて高い品質で出荷される と予想する事ができます。
第2位の若鶏もも肉パックについて
続いて第2位の鶏肉ですが、この鶏肉は冷凍された時期については明記されていないので分かりませんが、保存方法は真空パックにて保存となっています。
佐賀県産若どりモモ肉1kg入りを4パックセット(真空包装)にしてお届けいたします。もも肉1枚をそのままステーキに、またカットしてから揚げなど、色んなお料理にお使いいただけます。
真空パックにて冷凍保存された鶏肉は外気に触れることが一切なくなるため、商品の劣化が極めて低減されます 。そのため、「冷凍された時期」は不明ですが、可能な限り新鮮な状態で届き、なおかつ長期間新鮮なままの状態で食すことができます。
第3位の業務用ハーブ鳥について
第3位のハーブ鳥ですが、この商品は説明書きをよく読んで申し込む必要があります。というのもこの商品は冷凍保存ではなく、冷蔵のため保存期間が5日間しかないためです。
ハーブ鶏とは飼料にハーブを加えており、鶏特有のクセがなくあっさりとしています。尚且つ抗酸化性が脂の劣化を防止するので、旨味もアップしています!たっぷりと2kg入っておりますので、いろいろなお料理にお使いください。
普通にスーパーで購入するのと同じと考えれば良いと思います。もちろん届いてから自宅で冷凍保存すればいいという考えもあるかもしれませんが、実際のところ真空パック冷凍された鶏肉や産地凍結された鶏肉に比べて品質が落ちるのは言うまでもありません。
またこの商品は2Kgずつしか小分けにされていないため保存する前提でも考えて購入する必要があるかと思います。
最終的にどれがオススメ?
さてここまで様々な視点で3つの返礼品について確認してきましたが、最終的には以下の順にオススメかなと思います。
第1位 華味鳥(還元率◎、詳細◎)
第2位 若鶏 (還元率△、詳細◯)
第3位 ハーブ鳥(還元率◯、詳細△)
以上のようになりました。ただ、今回3つで順位をつけましたが、私が返礼品で選ぶとすれば第1位の華味鳥以外はない かなと思います。
というのも2位の若鶏もも肉はそもそも、ただの若鶏なのでスーパーに行けばいつでも買えますし、安売りしている時もあるはずです。そんな鶏肉を冷凍庫の貴重なスペースを空けてまで保存して使用しようとはあまり思いません。
3位のハーブ鳥に関しては、冷蔵なので大家族の方や直近で大量に使う予定があるという場合を除いてはまず選択する必要性がないかなと思います。肉というのは鮮度はかなり重要です。
まとめ
さて今回は美味い鶏肉を選ぶ方法についてお伝えしました。知っていることも知らなかったこともあるかと思いますが、ご覧頂いた通り鶏肉1つをとっても美味い鶏肉の選び方というのは様々なポイントを見る必要があります。
巷では「還元率が高い」ということが盲目的に良しとされていたりしますが、一概にそれだけでは評価できない というのは気をつけたいポイントです。
とはいえ、いちいち色々な商品を吟味しながら返礼品を選ぶのは非常に面倒です。そのため、当サイトでは今回の基準にのっとって選定したおすすめの返礼品ランキングも用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。
