牛肉の基礎知識

松阪牛はなぜ高級肉の代名詞なのか?その理由と実態を解説

松阪牛。その名を聞くとまず高級肉を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。松阪牛は日本三大和牛のひとつで、最も有名なブランド牛のひとつです。

そんな松阪牛ですが、実際どういった牛なのでしょうか?有名ではありますが、詳細な情報を知っている方は少ないでしょう。

この記事ではそんな日本を代表するブランド牛の松阪牛が「なぜ高級肉の代名詞なのか?」「松阪牛って本当に高級肉なのか?」そういった事をお伝えしていきます。

 

松阪牛とはそもそもどんな牛なのか?

まずはそもそも松阪牛とはどんな牛の事なのか簡単に解説したいと思います。ちなみにご存知かもしれませんが松阪牛の読み方は「まつさかうし」と「まつさかぎゅう」が正しく「まつざかぎゅう」や「まつざかうし」は誤った読み方です。

松阪牛の定義

松阪牛の定義は以下のようになっています。引用:松阪市HP

1.黒毛和種、未経産の雌牛
2.松阪牛個体識別管理システムに登録されていること
3.松阪牛生産区域(旧22市町村)での肥育期間が最長・最終であること
※生後12ヶ月齢までに松阪牛生産区域に導入され、導入後の移動は生産区域内に限る。

上記に示した通り松阪牛を名乗るためには3つの条件をクリアする必要があります。

 

定義1:黒毛和種、未経産の雌牛

まず1つめの定義は牛の種類が「黒毛和種」であること、そして雌牛(メス)である事です。

黒毛和種というのはいわゆる「黒毛和牛」の事で、日本特有の牛の種類を指します。一般的な高級肉はほぼ全てこの黒毛和種の牛肉です。

黒毛和種に関しては黒毛和牛とは?国産牛やブランド牛(神戸牛とか)と何が違うの?ランクも基準も全て解説!という記事で詳しく解説していますので気になる方は是非参考にしてみてください。

黒毛和牛とは?国産牛やブランド牛(神戸牛とか)と何が違うの?ランクも基準も全て解説!スーパーや通販、そして最近人気のふるさと納税、、どこを見ても牛肉コーナーを見れば「黒毛和牛」という文字が目に入ってくるはずです。そして私...

そして黒毛和種という事に加えもう1つの条件が出産をしていないメスの牛です。これは何故かと言うと、一般的にオス牛よりもメス牛の方が脂肪が柔らかくとろけるような食感を味わう事ができるからだそうです。

定義2:松阪牛個体識別管理システムに登録されていること

2つ目の定義は「松阪牛個体識別管理システムに登録されていること」です。これは牛肉の生産時から消費時までの履歴がシステムに登録されている必要があるということです。

このシステムは平成14年に松阪牛の偽装事件が起こったことから導入されました。松阪牛のブランドを守り、消費者に本物の松阪牛を届けるための徹底した品質管理が行われいています。

実際に松阪牛を購入した場合には、牛肉に貼付されている松阪牛シールの番号を個体識別番号検索で検索すれば1頭1頭の個体の生産から手元に届くまでの過程をつぶさに見る事ができるのです。

 

定義3:松阪牛生産区域(旧22市町村)での肥育期間が最長・最終であること

最後の「松阪牛生産区域(旧22市町村)での肥育期間が最長・最終であること」というのは、松阪牛の生産区域として定められた地域で育てられた期間が最も長い牛かつ最終的に肥育されていた地域が定められた生産地域だった牛であるということです。

こうして生産区域を絞る事も松阪牛の品質を保つために寄与していると考えられます。

びーふぁー
びーふぁー
ここまで定義を説明してきて何となく品質管理が徹底しているという事は分かったけど、何で松阪牛が「高級肉の代名詞とされる」のかはイマイチぴんと来ないよな。そこで次は、なぜ松阪牛が高級肉とされるのか。その理由を解説していくぞ。

 

松阪牛が高級肉の代名詞となっている3つの理由

松阪牛が高級肉とされる理由にはそれ相応の理由があります。それが以下の3つの理由です。

<松阪牛が高級とされる3つの理由>
・かつての品質基準が非常に厳しかった
・日本三大和牛の1つ
・日本初の牛肉の博覧会で最高賞を受賞した

それではこの3つの理由に関して順を追って丁寧に解説していきたいと思います。

 

理由1:かつて、松阪牛を名乗るための品質基準が今よりも格段に厳しかった

第一に挙げられる理由は「松阪牛と名乗るための基準が以前は現在よりかなり厳しかった」というとです。

現在の松坂牛の審査は前述した通りですが、ポイントなのは現在の松阪牛の基準には「肉質等級の格付け」による基準が一切ないという事です。

びーふぁー
びーふぁー
肉質等級というのは、よく「A5ランク和牛」みたいな感じで言われる際の「A5」とかのランク付けの事だ。このランクは一番下がC1ランクで一番上がA5ランクとなっているんだ。詳しくは下の記事を参考にしてみてくれ。
牛肉のA5ランクってなに?A5ランク牛肉が必ずしも最高ではない理由!ふるさと納税でも人気の牛肉ですが、牛肉と言えば多くの人が思い浮かべるのが「A5ランク」とか「B5ランク」といった牛肉のうまさ?を評価する...

そして現在の松阪牛には肉質等級による格付けの基準がない一方、2,004年以前の松坂牛の審査基準は「A5・B5」の牛のみを松阪牛としており、今と比べて格段に厳しいものだったのです。

ちなみにA5・B5のみを認定の基準としていたのは全国広しといえど松阪牛や仙台牛などの限られたブランド牛のみでした。その結果として、松阪牛といえば高級肉という認知が広まったのです。

※松阪牛の基準がA5・B5ではなくなったのは2001年に発生したBSE問題や産地偽装問題への対応として「松阪牛個体識別管理システム」が始まった事などによる。

 

理由2:松阪牛は日本三大和牛のひとつである

2つ目の理由は松阪牛が「日本三大和牛」のひとつであるということです。日本三大和牛はその名の通り、日本を代表する3つの和牛を指します。

といっても日本三大和牛は現在も明確に3種のブランド牛が定められているわけではありませんが一般的に「松阪牛」「神戸牛」「近江牛」の3種を日本三大和牛と指すことが多いです。

日本三大和牛という響きは他の和牛より知名度や人気を持たせ、人々の興味を誘いました。誰もが世界三大珍味を知っているように、日本三大和牛である松阪牛も多くの人に知られる牛肉となったのです。

日本三大和牛をwikipediaで見る

 

理由3:松阪牛は日本初の牛肉の博覧会で最高賞を受賞した

ここまで松阪牛が高級肉の代名詞とされている理由を2つ紹介しましたが、松坂牛を現在の地位や名誉まで昇華させたのは「日本初の牛肉の博覧会で最高賞を受賞した」ということが一番大きな要因とされています。

1935年に東京で日本初の牛肉の博覧会が開催されました。そこで松阪牛のルーツである但馬牛が最高賞を受賞し、その知名度と人気が爆発的に上がりました。

その当時は戦後間もない時代だったため、最高賞を取るような牛肉を誰もが食べられる訳はありませんでした。しかし庶民が但馬牛に憧れを持っていたこともあり、その名残から松阪牛の現在の地位と名誉が確立されたのです。

ちなみに但馬牛をルーツとする和牛は松阪牛以外にも、神戸牛と近江牛などが存在します。つまり、日本三大和牛は全て但馬牛をルーツとしているのです。

但馬牛をWikipediaで見てみる

 

松阪牛だからといって全部が全部最高級肉ではないことに注意

ここまでに松阪牛の基礎知識や松阪牛が高級肉の代名詞とされている理由を解説してきました。ただ松阪牛に関して1点だけ注意点があります。それは「松阪牛であるからといって全て最高級肉という訳ではない」ということです。

松阪牛の知名度が上がった理由の一つに厳しい基準があると前述しましたが、先ほどお伝えしたように現在ではその基準もかなりハードルが下げられています

以前はA5・B5のみが松阪牛を名乗ることができましたが、現在では前述した定義さえ満たせばA〜C全てのランクで松阪牛を名乗ることができます。そのため松阪牛=最高級という認識を持ってしまうと、もしかすると美味しくない牛肉を手にしてしまうかもしれません。

 

現在は「特産松阪牛」「金」「銀」といった表記で特別な松阪牛を差別化

松阪牛の基準が下がった(広がった)事は、かつて松阪牛を肥育していた方々にとっては必ずしも良い事ではありません。なぜなら先ほどお伝えしたように、ランクの低い肉でも松阪牛と名乗る事ができるようになったからです。

そこで現在では独自に以下の3つの表記で、松阪牛の中でも特別な松阪牛を差別化しています

独自基準で以下の3つを差別化

・特産松阪牛
・金
・銀

特産松阪牛

但馬系の黒毛和種の雌牛を900日以上肥育したものを特産松阪牛と表記しています。これは、基準が広がる前の松阪牛の基準を満たすものです。

ちなみに現在流通している松阪牛のうちこの特産松阪牛と表記できる松阪牛は松阪牛全体の10%にも満たない割合となっています。

金(黄金とされることも)

肉質等級が5の松阪牛のみに対し「金」の表記をしています。肉質等級「5」というのは日本食肉格付協会による格付けで最高ランクを指します。

肉質等級が4の松阪牛のみに対し「銀」の表記をしています。肉質等級「4」というのは日本食肉格付協会による格付けで5の次に高いランクで、4ランクであれば間違いなく高級肉と言う事ができます。

かつての基準をクリアするのは以下

「特産松阪牛」かつ「金(5ランク)」の表記がされている松阪牛のみがかつての最高級肉松阪牛の基準を満たしているのです。

 

松阪牛のランクは他のブランド牛と比較してどうなのか

審査基準が低くなったとはいえ、松阪牛が高級肉の代名詞だということは紛れもない事実です。それでは松阪牛のランク基準というのは他の三大和牛やブランド牛と比べてどうなっているのでしょうか。

有名どころのブランド牛の認定基準を調べ以下の表にまとめてみました。

認定基準となる肉質等級
ブランド牛の名称
5のみ 仙台牛
4もしくは5 神戸牛、若柳牛、前沢牛、常陸牛、佐賀牛、宮崎牛、阿波牛、淡路ビーフ
3~5 米沢牛、飛騨牛、熊野牛
2~5 石垣牛、宮古牛、高森牛、おおいた豊後牛
1~5 松阪牛、近江牛、伊賀牛、大和牛

上記の表をご覧頂いた通り、最も審査基準が厳しいブランド牛は仙台牛でした。肉質等級が5の牛のみとしているのは現在では全国広しといえど仙台牛くらいなのです。

松阪牛を含む日本三大和牛(松阪牛、神戸牛、近江牛)は意外にもランクの幅は広く、近江牛と松阪牛は肉質等級は悪く言えば”なんでもいい”という基準になっているのです。

肉質等級は一般的に5に近づけば近づくほど肉の質が良いとされているので、肉質等級5のみが認定される仙台牛はある程度の肉質が保証されているので、「仙台牛」と表記されている牛肉があれば手放しで「良い肉」と考えて良いでしょう。

反対に松阪牛に関しては、肉質等級が1~5全てを認定しているので、松阪牛という名前だけでは肉質ランクが高いのか、低いのかは分かりません(もちろんランクが全てではないのですが)。

そのため松阪牛を選ぶ際には「松阪牛」という名前だけに踊らされるのではなく、肉質が何ランクなのか、特産松阪牛なのかそうでないのかそういった点も見ておく必要があります。

びーふぁー
びーふぁー
といっても大々的に「A2ランクとかB2ランクの松阪牛です」と言って売っている場合は少なく、だいたいの場合ランクが低い場合はハンバーグにしたりコロッケにしたり何かしら加工をして「松阪牛使用」と名乗って売っているパターンが多いかな。

そして、そういった加工品が不味いのか?というとそういう訳でもない。なぜなら松阪牛の時点で「黒毛和牛」である事に偽りはないからだ。黒毛和牛は輸入牛よりも、国産牛よりも基本的に良い高い肉だからな。

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松阪牛についてのまとめ

高級牛の代名詞と言えば松阪牛ですが、どのようなブランド牛なのか知らなかった方も多いのではないでしょうか。

今回は基本的な知識を中心に紹介しました。松阪牛の肉質等級は1~5まで幅広く認定されますが、本当に長い歴史の中で手間暇をかけて肥育されてきたブランド牛なだけあって、その味わいや香りは他のブランド牛とは別格です。

基準や歴史を理解しつつぜひ一度松阪牛を食べてみてください。ちなみに松阪牛はふるさと納税でも人気の返礼品です。松阪牛のふるさと納税を見る

なお、ふるさと納税をする場合「さとふる」を利用するのがオススメです。その理由はふるさと納税サイトおすすめランキング!全14社を徹底比較しましたという記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。

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まふろー
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