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黒豚はなぜ美味しい?その理由や黒豚の特徴を徹底解説

「黒豚」と聞くとどんなイメージが浮かびますか?「高級」「ブランド」「おいしい」…というところでしょうか。

でも実際どんなお肉を黒豚と呼ぶのか?黒豚にはどんな特徴があるのかと聞かれると、よくわからなかったりするのではないでしょうか。

もしかしたら、知らないうちに黒豚ではないお肉を黒豚だと思って食べている…なんてこともあるかもしれません。

この記事では、私たちにとってなんとなく馴染みの深い豚肉である「黒豚」について、その特徴や美味しさの秘密などを徹底的に解説しますのでぜひご覧ください。

 

 黒豚とはどんな豚のことを指しているか知っていますか?

そもそも「黒豚」とはどのような豚を指すのでしょうか?実は、黒豚は日本にもともといた種の豚ではありません

黒豚の産地として有名な沖縄や九州地方には、かつては在来種の豚や中国から渡ってきた豚がたくさんいたと言われています。ところが日本で豚肉を食べる文化が一時衰退したため、これらの豚が減ってしまいました。

では現在国内で「黒豚」として扱われている豚肉はどんな豚肉なのか?それはイギリスが原産の「純粋バークシャー種の交配によって誕生した豚」なのです。

びーふぁー
びーふぁー
つまり、いわゆる黒豚というのは「日本固有の豚」という訳ではないということだな

バークシャー種は、ブタの品種である。

イングランド南東部のバークシャーを原産とする品種。外観的特徴としては中型であり、被毛は黒色。鼻や四肢の先端など六箇所に白いまだら模様があることから六白豚と呼ばれることもある。引用:Wikipedia

国内ではバークシャー以外の品種の豚肉は、販売する際に「黒豚」と表記することはできません。

バークシャー種は豚の中では非常に体格が小さいため、1頭から取れる肉の量は多くありません。また白豚のように多産でもなく、成長が早いわけでもないため、黒豚は希少な存在となるのです。

黒豚と言えば”かごしま黒豚”

さて黒豚について検索すると、必ず「かごしま黒豚」が出てきます。黒豚のブランドは鹿児島以外にも埼玉、群馬、岡山、香川に存在しますが、かごしま黒豚は別格で、過去に食肉市場において牛肉並みの値(Bランク)がついたこともあるほどです。

この記事では、そんな黒豚の中でも特別な位置づけの「かごしま黒豚」について解説します。

 

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かごしま黒豚の歴史

鹿児島では、なんと戦国時代から豚肉が食べられていました。

大河ドラマ「西郷どん」にも登場した島津氏が、1609年に琉球(沖縄)から豚を連れ帰り、薩摩の豚として品種改良したところから「かごしま黒豚」の歴史が始まりました。

明治に入って黒豚の品種改良が本格的に行われるようになると、イギリスから導入されたバークシャー種と地元の豚を掛け合わせ、更なる改良を重ねて現在に至っています。

かごしま黒豚のターニングポイント

1960年代の高度成長期には黒豚ブームがピークとなり、供給が追いつかないほどでした。

しかし、1970年代になると、成長が早く多産で、経済効率の高い白豚を導入する動きが活発化し、鹿児島県でも「白豚を導入するか?黒豚を残すか?」の激しい論争が巻き起こりました。

形勢は白豚に圧倒的で黒豚は減少を続け、一時期は絶滅の危機に瀕してしまいます。

しかしそんな状況を救ったのは、「量より質の時代が必ず来る」と信じた、生産者や関係者の存在でした。

バブル時代のグルメブームを迎えると、黒豚が再び脚光を浴びます。それまでの間、黒豚は目立たない不遇の時代を送っていましたが、この時期には「ニセ黒豚」が出るほどの騒ぎになりました。

そこで、南九州から選出された国会議員たちが、国会で黒豚の定義を「純粋バークシャー種の交配によって誕生した豚」のみに限定するよう働きかけ、決定されます。

とんす
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さらにかごしま黒豚は1999年に商標登録されているんだぞ

その後もかごしま黒豚は繁栄の一途を辿っている

21世紀に入ると黒豚の数は更に増え続け、2005年には鹿児島県内での割合が38%になるほど激増しました。

この背景には、もともと白豚を飼育していた養豚農家などが、経済的にメリットのある黒豚に転換したり、新規就農者が黒豚の養豚を始めた事などが挙げられます。

ちなみに鹿児島県では黒豚の改良にとどまらず、畜産試験場において全国でも唯一、黒豚の系統豚の造成も行なっているそうです。

びーふぁー
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系統豚っていうのは、簡単に言うとその豚の家族みたいなものかな。ちょっと難しいから詳しく知りたい場合はこのサイトを参考にしてくれ♪

このように、かごしま黒豚の美味しさは、常に美味しさを追求する研究への熱心な姿勢から生まれているのです。

 

かごしま黒豚はブランド豚の中でもトップランク

ちなみにここまで解説してきた「かごしま黒豚」ですが、この豚肉は全国に数十種類あるブランド豚の中でもトップランクの評価を受けている豚肉です。

一口に「ブランド豚」と言っても、三元豚やあぐー豚、TOKYO Xなど、多くのブランドがあります。

2017年1月に、日経MJによる全国の主要ブランド豚肉25種を対象にしたバイヤー調査が行われました。

その結果、かごしま黒豚は「歯切れがよく、うまみ成分が豊富」な点が評価され、「味」59%、「安全性の高さ」27%、「知名度」64%など16の評価項目のうち13項目でトップの評価を得て、総合408点で全国1位を獲得しています。

びーふぁー
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ちなみに2位が沖縄のあぐー豚で、3位が平牧三元豚という豚肉だったんだ。

この調査ではバイヤーが「取り扱っているブランド」についても聞いており、結果はかごしま黒豚が44%でトップでした。2位のあぐー豚が24%でしたので、かごしま黒豚のシェアはダントツです。

ブランド豚として、かごしま黒豚が群を抜いてプロからも信頼を得ていることがわかります。

参考:日経MJによる全国の主要ブランド豚肉25種を対象にしたバイヤー調査

 

かごしま黒豚の味の特徴

日本の黒豚は、バークシャー種でなければ黒豚を名乗ることはできません。そのため、黒豚の肉質は、基本的にはバークシャー種の豚肉の特徴と同じと考えることができます。

そんなかごしま黒豚の味の特徴は以下の4つが挙げられます。

かごしま黒豚の味の特徴

1.歯切れがよく柔らかい
2.肉質が締まりジューシー
3.甘みを感じ、旨味が多い
4.脂がさっぱりしている

それではこれらの特徴に関してもう少し詳しく解説します。

特徴1 食べたときに歯切れがよく、やわらかい

かごしま黒豚の豚の種類「バークシャー種」は、小柄ながら非常に優れた肉質を持つ品種です。

他の豚と比べて肉の筋繊維が細く、きめが細かいという特徴があります。食べたときの歯切れの良さ、やわらかさを生み出す特徴を持っているのです。

かごしま黒豚は「絶対にバークシャー種でなくてはならない」と決めているので、かごしま黒豚は必ずこのバークシャーの特徴を持っています。

特徴2 肉質がしまり、水っぽさがなくジューシー

またバークシャー種は、繊維が細いことで保水性が高くなり、脂肪組織の水分含有量が少なくなります。肉質がしまり、弾力に富んで水っぽさのないジューシーな味わいが生まれます。

特徴3 甘味を感じられ、旨味が多い

鹿児島大学と県畜産試験場などが行った研究の結果、「かごしま黒豚」は、国内産白豚や輸入豚に比べて、中性糖やアミノ酸含有量などの旨味成分含有量が多いことが証明されました。甘味が感じられ、旨味が多い肉質であることが立証されています。

ちなみにその調査によれば、旨味の成分であるグルタミン酸は白豚の3.7倍。甘みの成分であるトレオニンは白豚の6.7倍という研究結果が出ているそうです。

特徴4 脂がべとつかず、さっぱりしている=脂肪融点が高い

お肉には脂肪融点(肉の脂肪が溶け始める温度)と呼ばれるものがあります。食べたときに肉になめらかな感触を与えるのは、この溶けた脂肪です。

脂肪融点が低いと、口どけがよい豚肉になりますが、かごしま黒豚のように脂肪融点が高い場合には、脂がべとつかず、さっぱりした肉質になります。

一般に、多価不飽和脂肪酸の比率が高くなるほど脂肪融点は低くなるとされていますので、オレイン酸の含有量が多いブランド豚は、脂肪融点が低いかもしれません。

参考:http://www.k-kurobuta.com/pdf/kurobuta_figure.pdf

 

黒豚を美味しくさせる2つの秘密

ブランド豚「かごしま黒豚」が美味しいのは品種(バークシャー種)であるということだけではありません。他の黒豚ではなく、なぜ「かごしま黒豚が人気なのか」その秘密は次の2つの工夫にありました。

かごしま黒豚のうまさの秘密

・甘しょ(さつまいも)
・育成期間

かごしま黒豚の秘密:甘しょ(さつまいも)

「かごしま黒豚」のうまさの秘密の1つが甘しょ、いわゆるさつまいもです。

実は「かごしま黒豚」となるための基準のひとつに、肥育後期に甘しょ(さつまいも)を10%~20%添加した飼料を60日以上与える必要があるのです。

この甘しょをエサとして与えることで、黒豚の脂肪の融点が高くなり、質が向上し、さっぱりとした食味やしまりのある肉質になると言われています。

かごしま黒豚の秘密:育成期間の長さ

「かごしま黒豚」は、一般的な豚の1.2~1.5倍ほどの肥育期間を経て出荷されます。出荷日齢は概ね230日〜270日程度です。

じっくりと時間をかけて大切に育てることで、より引き締まった肉質が生まれます。

本当にじっくり育てられるだけでより引き締まった肉質になるの?と思う方もいるかもしれませんが、育成期間が長いということはそれだけ十分な食事と運動をとっているということになります。

十分な運動は適度な筋肉をもたらし、肉が引き締まりますし、栄養をしっかりとった豚肉はジューシーで旨味のある肉に仕上がります。こういったことも加味してかごしま黒豚は生産されているのです。

 

黒豚についてのまとめ

「黒豚」について、かごしま黒豚を中心にその美味しさの秘密や人気の秘密、そして人気であるという事実をお伝えしてきました。

かごしま黒豚の人気は、今や日本国内に留まりません。海外での積極的な商談を積み重ねてきた結果、平成28年度の輸出量は約53トンに達しています。

とんす
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この数字は平成23年の8倍にもなるそうだよ

一時は絶滅の危機を迎えながらも、生産者の努力と根強い人気で今や日本を代表するブランド豚となったかごしま黒豚。今後も熱心な研究により、より一層美味しさに磨きがかかることが期待されます。

ちなみにかごしま黒豚を一度食べてみたい!という思いがある方は「ふるさと納税」で探してみるのが良いと思います。

ふるさと納税で認知度ナンバー1のさとふるでは200件以上の黒豚がありますので、ぜひ節税もしつつ美味しい黒豚を味わってみてください。

さとふるで「鹿児島県産黒豚」を見る

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まふろー
当サイト管理人のまふろーです。20代後半のサラリーマンで、昨年からふるさと納税を始めました。魚介類や家電などには興味がなく、ただひたすら旨い肉を求めてふるさと納税をしてきました。このサイトでは私が10誌以上に上る雑誌や書籍、そしてネットなどから仕入れた情報をもとに、「本当にお得な肉」のふるさと納税返礼品についてお伝えしていきます。ご期待ください。